超銀礼賛

残酷なリアル
でもって、ファンタリオン星なのだった。
 
これについては、もうさんざん語っている(倒)ので、付け足すことはほとんどない(しみじみ)
 
あまり取りざたされることはないような気がするけれど、ファンタリオン星事件で見落とすことができない厳しいポイントは、
 
敗戦(涙)
 
…なのだと思う。
もっとも、しまむらたちはそもそも普段からきちんとした勝利(倒)をおさめているわけではない。
それにしても、この敗戦はちょっと気の毒だ。なんというか、リアルすぎる……のかもしれない。
 
敗戦なら敗戦でいいのだ。
それがしまむらたちの心を打ちのめすモノという視点でのみ描かれていれば。
なぜなら、どん底から立ち上がる!という締めくくりが次への希望となるからだ。
 
しかし、実際の敗戦というのは、そんな照準を絞れるようなモノではない。
無力感が漂い、どん底というには中途半端で、ただただぼーぜんとする……みたいなモノなのかもしれない。
 
とはいえ所詮フィクションはフィクション。
作り物なのだから、そういう敗戦を描いたとしても、力業で敗戦の照準を定めることならできる。
リアルな敗戦から視点をほんの少し主人公の内面に向けたりすれば、あらゆる絶望を主人公たちが背負い、主人公たちの内面の問題として処理することもできてしまう。
 
一応、超銀においても、ファンタリオン全滅の照準はそれなりにさだめられた。
それが
 
しまむらとタマラさまの別れ(涙)
 
……えーと。
 
しかし、ソレはどーもうまくいかなかった。
よーするに、出会いがないのに別れだけみっちりあるが問題なのだった(しみじみ)
 
この別れを星滅亡と釣り合う悲劇にするためには、タマラさまがしまむらに惚れる!というポイントがどーしても必要だったのだ。かつて、ヘレナさまがしまむらに惚れたよーに。
そして、タマラさまはしまむらのために死ななければならなかった。
 
そこがどーも中途半端(悩)
 
中途半端になってしまったのは、やっぱりお嬢さんが絡んだからだと思う(しみじみ)
 
だから、繰り返しているように、超銀はお嬢さんの映画として見るべきなのだった。
しまむらの映画だと思うから話がややこしくなるわけで(嘆)
 
問題は、作る人も、おそらくしまむらの映画だと思いながら作っていた……ということで。
そこは思い切りが必要だった!いや思い切られても(汗)
 
おそらく、ファンタリオン星事件は事件そのものの枠組みを変えなくても、十分に感動的なエピソードになり得ると思う。
どちらかを諦めればいいのだ。
 
お嬢さんかしまむらか!
 
………。
 
なんて言ってしまうと、当然諦められちゃうのはお嬢さんなので(涙)3至上主義者としては沈黙を守るのだった(しみじみ)
 
ちなみに。
お嬢さんを諦めた場合、こーゆー感じになると思う。
 
出発前の浜辺シーンは一応アリ。
ただし、しまむらは「君は地球に残れ」とは言わない。ってことは、お嬢さんを好きなんだ!という態度を見せない(嘆)
 
で、お嬢さんは浜辺でしまむらをなじるとよいのだ。
 
勝ち目のない戦いで死ぬのも、ここでダガス軍団に殺されるのも同じこと、私はもう戦いたくない!
 
とかなんとか。
で、しまむらがそれはマズイんだ!と力説して、一旦お嬢さんと訣別する!
 
…………。(涙)
 
結局お嬢さんはイシュメールに乗る。
お嬢さんとしてはしまむらへの愛、の証明なのだけど、物語としては、しまむらの主張の正しさの証明となる。
 
そうしておいて、ファンタリオン星に降り立つのだった(しみじみ)
そうすれば、お嬢さんを完全に排除した状態で、しまむらはタマラさまと対峙できる。
 
3至上主義者としては全然面白くないし、しまむらだって、それじゃもしかしたら超銀の方がまだマシな男なんじゃないの?(悩)という気もしないでもないのだけど、そこは物語の力でごまかされてしまう。
だから、私は思うのだ。
 
超銀はたしかにどーもヘン。
どーも面白くない。
 
が、それはごまかされていないからなのだ!
不必要なほど(倒)リアルだから、超銀は面白くない。
 
しまむらたちが負けるのも。
それが徹底的で救いがないのも。
しまむらがタマラさまと深い恋に落ちるわけではないのも。
お嬢さんがタマラさまとしまむらが?なのに気づきながらも大したことなさそうだから黙っているのも。
 
で、ハッキリ言って、ファンタリオン星がどーなろーとも、しまむらたちとは何も関係がないのも。
 
みんな当たり前のことだ!!!!!
 
ただ、ちょっと当たり前すぎて身も蓋もないだけであって(しみじみ)
 
いっぱいお金をかけてお正月映画を作って、そこで当たり前すぎる現実を展開してどーするんだ(汗)というのはたしかにあるのだけど。
でも、私たちは東映のヒトではない。
 
ってことは、しまむらたちがリアルである、ということについて、もっと高い評価をしてもいいと思うのだった!おーい(汗)
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