ホーム 虫干しの庭 熱闘?甲子園 ちにじゅー? 拍手避難所2012 拍手避難所2010 拍手避難所2008 拍手避難所2007

 1      「はい、あーん♪」
 
「え…これ、君が作ったのか…すごいな!」
「うふふ。お誕生日おめでとう、ピュンマ!」
「ありがとう。おいしそうだなあ」
「はい!」
「…え…っ?…はい…って?」
「あーん、して…ピュンマ」
 
 
…ってことで!
この続きを五段活用っ!
 2      旧ゼロ
 
「はは、かんべんしてくれよ…そういうことはジョーとやったらどうだい?」
「まあ!からかわないでちょうだい、ピュンマ!」
「おいおい、からかってるのはそっちだろう?」
「そんなこと…ひどい…!」
「え?…ちょ、ちょっと…あれ?フランソワーズ?」
 
※※※※※
 
「おーい、フランソワーズ…あれ、どうしたんだ?…泣いてるのか?」
「ジョー…」
「ピュンマ…?何かあったのか?」
「いや、その…すまない。俺が…彼女を傷つけた…みたいで」
「傷つけた…?」
「ピュンマが…私の作ったケーキを食べてくれないの」
「ちょ!…フランソワーズ、別にそういうわけじゃ…!」
「ふーん?」
「あ、あのな…ジョー、誤解しないでほしいんだが…」
「なるほど…たしかに、あまりおいしそうじゃないもんなあ」
「…え。」
 
※※※※※
 
「まあ、気にすることはないよ、ピュンマ。女の子なんて、だいたいあんなもんさ」
「いや…そんなこともないような気がするけど…大丈夫かな。彼女、あれから部屋にこもったきり出てこないぜ?」
「ケーキまで焼いたんだし、007が来るころには出てくるよ。気にしなくていい、よくあることなんだから」
「…よく…あるのか?」
「うん」
「そうか…よくあるんだ…そうなのかぁ…」
「あのケーキも、たぶん見た目よりはおいしいから安心しろよ、ピュンマ」
「…えぇ…っと…」
「しかし、しょうがないヤツだな…!せっかくの君の誕生日だっていうのに…すまない。ピュンマ、許してくれたまえ。彼女には後で僕からよーく言っておく」
「いや、それはやめてくれ、ジョー……頼むから」
 3      新ゼロ
 
「これはまた…どういう風の吹き回しかな?ジョーとケンカでもしたのかい?」
「どうして、そこでジョーが出てくるの?…味見してもらいたいの」
「僕のために作ってくれているのに、僕に味見させるのか?」
「おかしいかしら…」
「いや。…まあ、いいか、それじゃ遠慮無く」
「うふふ、はい、あーん……え?」
「……」
「ピュンマ?」
「やっぱり、やめておくよ…君の後ろに、ジョーがこの世の終わりみたいな顔で立ってる」
「…え?」
「ちょっ…!な、何言うんだよ、ピュンマ!」
「この世の終わりみたい…というか、実際終わっちゃうかもしれないからな…ははは、くわばらくわばら…っと」
「あ、ピュンマ、待って!…もう…どうしたのかしら。味見してもらおうと思ったのに…」
「……」
 
※※※※※
 
「ねえ、ジョー…彼の言った意味…わかった?」
「…いや…その」
「ああ、困ったわ…味見、どうしようかしら…あなたじゃ代わりにならないし」
「う…ええと。アルベルトはどう?」
「ダメよ。ピュンマの好みが知りたいんだもの」
「…そっか。それじゃ、誰でもダメだね、うん」
「ジョー?」
「いや、ピュンマはさ…ほら、ええと、食べ物を粗末にするヤツじゃないし、どんな味でも大丈夫だと…思うよ」
「まあっ!どういうこと?!」
「え…?あれ?…どういうこと…になるのかな…?」
 4      超銀
 
「ありがとう。……うん、おいしいよ!」
「よかった!…それじゃもう一口どうぞ。あーん…」
「ん、料理、うまくなったんだな…フランソワーズ」
「ありがとう…嬉しいわ、ピュンマ」
「さて、そろそろ行かなくちゃな…ジョーが血相変えて飛んでくると面倒だ」
「まあ!」
「君から離れろ、って素直に言うならいいんだけど、彼の『命令』は結構屈折してるからね」
「…そんなこと」
《008、ちょっと来てくれないか?…2人だけで話がしたい》
「!…ジョー?」
「ほーら、早速来た。超能力でもあるんじゃないのか、彼?」
「まさか…!何を言ってるの、ピュンマったら…!」
「やれやれ…ケーキ二口でどこまで絡まれることになるのかね…」
「もう!そんな…こと!」
 
※※※※※
 
「ジョー、話ってなんだい?」
「ああ…取り込み中、すまなかった」
「…取り込み中…って。待てよ、俺は、別に…ん?」
「誕生日、おめでとう…これ」
「……は?」
「ちょっと、みんなの前では照れくさかったというか…ごめん」
「……」
「…どうした?」
「いや。…あ、ありがとう」
「口に合えばいいんだが…ダメなら捨ててくれ」
「君が…作った…んだよな?」
「フランソワーズに教わったんだ。僕が何もできない…って、さんざん文句を言うからさ…でも、料理の基礎がまさかクッキー作りだとは思わなかったけど。あ。もしかしたら、僕…だまされたのか?」
「……」
「彼女、あれで茶目っ気もあるからなあ…」
「……」
「…ピュンマ?」
「いや。すまなかった、ジョー。僕が軽はずみだった…ったく、そうくるとはな」
「何の…話だい?」
「こっちの話さ…ん?今度はなんだ?」
「味見してもらおうと思って」
「…味見?」
「こっちのは、後でケーキと一緒に出すつもりなんだ。はい、あーん」
「おい、ジョー…?」
「口をあけてよ、ピュンマ…あーん」
「まさか、それも彼女仕込みだっていうわけじゃ……う?!」
「ほら…ピュンマ…あーん、って言ってるだろ。どうしたんだよ?」
「ジョー…?」
「命令だ……二口で、カンベンしてやるよ」
 5      平ゼロ
 
「ん……おいしいじゃないか、腕を上げたな、003」
「うふふ。…あら、ジョー。あなたも味見してみる?」
「…えっ?」
「うん、おいしいよ、君も食べさせてもらうといい」
「い、いや…僕は、いいよ」
「あら…どうして?…はい、ジョー?」
「ふぇ…っ?!」
「口を開けて…あーん」
「ちょ、ちょ、ちょっと、フランソワーズ!」
「…何騒いでるんだよ、009?」
「何…って。僕は、そういうのは、ちょっと……わぁっ、ゴメン!」
「あっ?…待って、ジョー…!」
 
※※※※※
 
「ふふ、009のやつ、真っ赤だったなぁ。君も、あんまり苛めるなよ?」
「苛めてなんか…!もう、ジョーったら、急にどうしたのかしら?」
「どうしたのかしら…って。…え?」
「いつもあの調子なのよね…私、嫌われているみたい」
「……」
「…どう思う、ピュンマ?」
「どうって。…どうもこうも…君、彼をからかってたんじゃないのか?」
「からかうなんて…!そんなことできないわ、あんなマジメで優しくて傷つきやすいヒトに…」
「……」
「ホントよ、ピュンマ…あの、ジョーは本当に繊細なヒトなの…気を付けてあげてね」
「あ、ああ。よーく覚えておくことにする…というか、悪かったな、003」
「え…どうして?私は大丈夫よ」
「あ…うん。そう…だろうね。ホント、そうなんだろうなぁ…」
 6      原作
 
「いきなり、どうしたんだよ、フランソワーズ?」
「いいでしょ…誰も見ていないし」
「それって、余計マズイんじゃないか?」
「もう…いいから、はい、あーん」
「しょうがないなあ……うん、うまい!」
「ほんと?…はい、じゃ、もう一口…あーん」
「……」
「…ピュンマ?」
「わかった…そういうことかあ!」
「え?…どうしたの?」
「いや…これって、いつもの相手はイワンなんだね…ふふふ、なるほど、それなら納得だ」
「納得って…?」
「いやいや…こっちのこと。それにしてもしょうがないな、イワンのヤツ…いつもこんな風に君に甘えているのかい?」
「ふふっ…仕方ないでしょう…イワンはまだ赤ちゃんなんですもの」
「都合のいいときだけ赤ちゃんになるなあ、アイツ…」
「そうね…ジョーほどじゃないけれど」
「…え?」
「でも、彼は…あんまり話してくれないのだけど、子供の頃、寂しい思いをしていたみたいだから。こんなことじゃ、埋め合わせになんかならないでしょうけれど…でも、せめて…って思うの」
「……」
「あ。…やだわ。ジョーにはナイショにしてね、ピュンマ…きっと、気を悪くするもの」
「いや…うん」
「…どうしたの?」
「うーん。ってことはつまり…さ。今、君は、僕を完全に赤ん坊とみなしてた…ってことなんだよね?」
「え、ええ…そうなる…けれど。…やだわ。そんなにハッキリ言われると…とても失礼なことをしていたみたい」
「実際、失礼だろう…それって」
「…ごめん…なさい」
「いや、謝られても…じゃなくて、そうじゃなくてさ…うーん…」
「…ピュンマ?」
「ホントに、何考えてるんだろうな、ジョーは…いやいや、わからなくてもいいや、もう」
prev. index next

ホーム 虫干しの庭 熱闘?甲子園 ちにじゅー? 拍手避難所2012 拍手避難所2010 拍手避難所2008 拍手避難所2007


Last updated: 2010/8/24