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 7      プレゼント
 
「ピュンマ…君に聞きたいことがあるんだけど」
「ジョー?…なんだい、あらたまって?」
「あのさ…誕生日のプレゼント、何が欲しい?」
 
 
…ってことで!
この続きを五段活用っ!
 8      旧ゼロ
 
「ああ、そういうことか…ありがとう009。でも、そんな気をつかわないでくれよ、水くさい。仲間じゃないか」
「それはこっちのセリフさ…ヘンな遠慮はいらないぜ、ピュンマ」
「遠慮するつもりはない。だが、たぶん、俺の欲しいものは、ヒトからもらうことができるようなものではないんだ」
「どういうことだい?」
「ふふふ、君だって同じコトを考えているはずだと思うぜ。009、それなら君が欲しいものは…何より望むものはなんだ?…わかるだろう、君はそれを俺からもらうことなどできない。逆も同じってことさ」
「そうか…わかったよ、008。でも、僕は、それを君からもらえるとは思っちゃいないが…君と一緒に探したいんだ。君と…君たちと一緒なら、いつかきっと手に入れることができると信じている」
「もちろんだとも、009……君のその言葉が、何よりの贈り物だよ」
 9      新ゼロ
 
「いきなりどうしたんだ、ジョー?らしくないことを聞くんだな」
「そうかな。僕だって、仲間にバースデープレゼントを贈りたいと思うこともあるさ」
「ふうん…どういう風の吹き回しだか……ああ、そうか!」
「…な、なんだよ」
「わかった。…彼女に、聞かれたんだろう?」
「え…っ?」
「オマエの誕生日がいつのなのかは知らないが…ヘンなヤツだなあ…素直に欲しいものを言えばいいじゃないか」
「欲しいもの…って。僕は、別に…!」
「だめだめ。仲間に智恵をもらって無難に答えておこうなんて…姑息だし、彼女に失礼だぞ。それこそ009らしくない」
「…ピュンマ!」
「だが…欲しいもの、か…。結構いいもんだな、そう聞かれるのって」
「そう…かな?」
「そうさ…で、オマエ、聞いた以上は、覚悟しているんだろうな?」
「覚悟…って?」
「だから。何が欲しいかヒトに聞いておいて、いや、それはあげられないとか、それは無理だ…なんて、言うつもりはないよな…って言ってるのさ」
「あ。それは、もちろん……いや、ゴメン」
「……」
「覚悟か…たしかに僕は、君が僕を困らせるようなことを言うはずはない…って、思っていたかもしれない…ずるいな」
「だろうね…でも、彼女は違うはずだ。聞いたからには、きっと、覚悟していると思う」
「…ピュンマ?」
「だから、正直に言えばいいのさ…何が欲しいのか…いや、彼女から、何をもらいたいのかをね。オマエが何を望もうと、彼女は必ず応えてくれるさ。何も怖がることはない」
「あの。…もしかして、話がヘンな方に…向かっていないかい?」
「ヘンな方って、どういう方だい?」
「……」
「うん。くつした…だな」
「…えっ?」
「なんだよ、聞いておいて…今、俺が欲しいと思っているものさ」
「くつ…した?」
「ああ。丈夫なのがいいね。できたら速乾性の素材で、長いのと短めのを」
「……」
「なんだよ、その顔?」
「いや。だって。…そんなので、いいのかい?誕生日のプレゼントだよ?」
「そんなの、とは何だ。失礼なヤツだな」
「あ…ご、ゴメン」
「ふふ…だから、せいぜいよーく考えろ。がっかりさせるぐらいなら、困らせた方がマシだと思うけどな、俺は」
「…もう、カンベンしてくれよ」
 10      超銀
 
「誕生日…僕の?」
「もうすぐ、誕生日だろう?8月20日」
「そうだけど。どうして君、僕の誕生日を知っているんだ?」
「…いや。003に聞いて」
「003…?ああ、そうか!…要するに、何が欲しいか聞き出してこいって、彼女から頼まれた…わけだ」
「あ…うん。実はそうなんだ…すまない、こんなときに」
「まったくだ…だが、そういう目標があると思うと、やる気が起きてくるね…ありがたい」
「目標…やる気?」
「ああ。君だってそうだろ?003がそんなことを気に懸けてくれているなら…どうにかして帰り着くぞって気になるじゃないか」
「そうか。なるほど、そうだね」
「プレゼントか。…特別なものは何もいらないさ、今の僕達には。また生きて会うことができたら…それで笑いあえたら、それが何よりじゃないか。他にほしいものはない」
「同感だ…でも、それじゃ納得してもらえないんだよ、きっと」
「はは…君も案外タイヘンなんだな…欲しいもの、か。そうだな…うん、そうだ。君がこの間の誕生日に、彼女からもらったものって何だったんだ?」
「え?…どうしてそんな…」
「ふふふ、ソレが一番いいものに決まってるからさ…僕もソレにする」
「いや。でも…それは、ちょっと」
「ふーん?…まあいいや、帰り着いたら、彼女に直接聞いて、ついでに頼んでみるからさ」
「……」
「そろそろ対岸…だな。やれやれ、丁寧なお出迎えが期待できそうだ」
「ああ。大軍で待ちかまえているだろうね。上陸と同時に、今度は僕が先導する…いいかい?」
「もちろん。…実を言うと、君に背中を見せているのがだんだんコワくなってきたし」
「はは。今から替わっておこうか?」
「いや。まだ一応大丈夫なはずさ…水の中ならね」
 11      平ゼロ
「誕生日の…プレゼント?」
「う、うん」
「そう言われてもなあ…?そんな習慣、僕の国にはなかったから…いや、もしかしたら、みんな忘れているだけなのかもしれないが」
「……」
「ああ、すまない…そんな顔しないでくれよ…つまり、僕が欲しいものを言えば、君がそれをプレゼントしてくれる…ってことなんだろう?」
「うん…ゴメン。ホントは、こうやって聞いたりしないで、君が欲しいものは何だろう…って考えるべきなんだけど…でも、やっぱり見当がつかないんだ」
「それはそうだろうな…僕たちは、文字通り、世界中から連れてこられた…文化も習慣もまるで違う者たちなんだ」
「…そうだね」
「ふふ、よくわからないけど、つまり、僕が今欲しいと思っているものを言えばいいんだろう?」
「うん」
「いくつも言っていいのかな?」
「あ。そうしてくれた方が助かる。全部あげるのは無理でも、大体のことがわかれば…」
「そうか。多少はサプライズがあったほうが楽しそうだな」
「そういうこと。…何が欲しい?」
「そうだな…自動小銃とか、ナイフとか…手榴弾でもいいんだが、とにかくフツウの武器があるといいな。あまり合理的な考え方ではないことはわかってるんだが、いざというときは、馴染みのあるモノが助けになるような気がするんだ…まあ、お守りみたいなものかな」
「…お…守り?」
「だが、日本では手に入れにくいんだよね…それに、まさかあのギルモア博士や001にそんな原始的なものを作ってくれ、なんて言えないしなあ…」
「え、ええと。確かに、武器は難しいけど、防具ならなんとなるかも…防弾チョッキとか、迷彩服とか…」
「ああ、いいな、それ!…やっぱり赤とか黄色ってのは落ち着かないし、生地がなんとなく薄いのも、正直頼りないんだよなあ…そりゃ、防御力で僕らのあの服に勝るモノなどないんだと…頭ではわかっていても、時々、あのズッシリした重みが懐かしくなることがある」
「…そんなものかな」
「ああ。もちろん、戦闘時には着られないけど…部屋にいるときなんかはいいかな」
「……」
「でも、そんなモノ、本当にこの国で売っているのかい?この間、003の買い物につきあって、馬鹿馬鹿しくデカイショッピングモールに行ったときに探したけど、気配もなかったんだよな」
「探した…のかぁ。うん、そういう店はめったにないけど…でも、通販なら…」
「通販…!ああ、インターネットか、なるほどな!」
「…008?」
「それは思いつかなかった…早速探してみる。ありがとう、009!」
「いや、そんな別に…って、だから。そうじゃなくてさ…!」
 12      原作
「あ。…そうか、もうそんな時期なんだな。忘れていたよ…いつもありがとう」
「聞くなんて反則だけど…正直、ネタ切れ…っていうか。何がいいか思いつかないんだ」
「ハハ、そうだろうね。もう何回目になるんだか……数え切れないや」
「そういうこと。でも、せっかく一年に一度しかない日だし…」
「うーん、たしかに。そうだなあ…お、こんなのいいんじゃないか、ジョー?…家族で温泉旅行、一泊二日…博士とイワンとフランソワーズと君と…うん、人数もうまく合ってるし」
「温泉旅行?…って、何見てるんだ、君?」
「…個性的で心あたたまるギフトはこちらです。…だってさ、ホラ」
「あー、なんだコレ!…敬老の日のプレゼント特集じゃないか…!」
「敬老の日?そんなのがあるのか日本には」
「ふふふ。いくらなんでも、ソレじゃマズイよ」
「いや…案外そうでもないんじゃないか?こう書いてあるぜ。《年を重ね、今は満ち足りた穏やかな生活…欲しいのはモノではなく思い出…》だってさ」
「うーん…でも、なあ…」
「いいと思うな。俺たちはたしかにさまざまな苦難を乗り越え、長い年月を乗り越えて…つまり、こうして長生きできているんだ。幸せな年寄りさ。そう思わないか?」
「えー。そうかなあ…?」
「うん、いいなあ、コレ。場所もいいよ…露天風呂の外はすぐ海、らしい。あ。しかもこの辺り、スゴイ岩場もあるぜ…潜ったら面白そうだ。うん、張々湖大人も誘おうか?」
「って、まさか…また密漁するつもりかい?」
「密漁といえばそうだけど。でも、こんな所、フツウの人間はどうせ近寄れないさ」
「ったく…!どこが幸せな年寄りだよー!」
「ははっ。確かに…でもまあ、幸せ…ってとこだけは間違いないな…そうだろう、ジョー?」
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Last updated: 2010/8/24