「そういえば…お前さん、今日誕生日なんだって?」
「あ…そっ…か。誰に聞いたんだい?」
「フランソワーズだ。他に誰がいる」
「……」
「覚悟しておくんだな」
「…いや。まさか。だって、こんなときなのに…」
「そんなことでアイツが怯むわけないだろう」
「……」
「まったく。こんな日にお前さんと組んじまうとは、俺も運がない」
「004。君の言うこと、よくわからないんだけどな」
「俺もわかっているわけじゃない。これから何が起きるか、なんてのは」
「…何が起きるっていうんだ」
「さあ、な……」
「……」
「……」
「うわ。…今、スゴイこと想像しちゃったよ」
「やめとけ。本当になっちまったらどうする」
「…フランソワーズだからなぁ…」
「…来るぞ」
「敵?誘導ミサイル?…それとも」
「だから想像するな!ただの誘導ミサイルだ、ありがたいことにな!」
「…ホントだ。ただのミサイルだった…助かった」
「ふん…それにしても遅い。そろそろ通信が入ってもいいころなんだが」
「突入の合図かい?…それとも」
「…お前な。想像するなと言っただろうが」
「わかってるんだけどさ。つい想像しちゃうんだよなあ…」
「いつか死ぬぞ」
「君が言うと冗談に聞こえないよ、004」
「……」
「……」
「…っ!来るぞ!」
「え…何が?…まさか」
「馬鹿、想像するなっ!死にたくなければ走れ!」
「…いやぁ…」
「……」
「ヒドイ目にあったなあ…」
「だから言っただろうが」
「うん。君の忠告は大抵正しいね」
「その割には聞き入れられないことが多いがな…まあ、お前さんはこうやって何とかしちまうヤツだから、別にかまわんが…」
「ふふ。…じゃ、そろそろ、本番といこうか。覚悟はできてるよね?」
「ふん……仕方ないだろう」
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