いきなりこの作品か…?と思ったり(だったらするな〜!)
エリス&太田豊太郎が3&9などと言うつもりはない。全然違う。
003はエリスより、もうちょっと強いと思うし、009も…彼なら官職を捨て、エリスを選ぶに違いない。(断言)
それでもつい読むうちに妄想がよぎるのは…おいしい表現(?)がありすぎるから。
たとえば、エリスの容貌。
年は十六七なるべし。被りし巾を洩れたる髪の色は、薄きこがね色にて、着たる衣は垢つき汚れたりとも見えず。我が足音に驚かされてかへりみたる面、余に詩人の筆なければこれを写すべくもあらず。この青く清らにて物問ひたげに愁を含める目の、半ば露を宿せる長き睫毛におほはれたるは、何故に一顧したるのみにて、用心深き我心の底までは徹したるか。
これって、新ゼロの003…と、かなり重なる。原作や019とは少し違うけれど。
抜き出して単独でみると、結構3&9と重なって笑える(?)のが初めの頃のエリス&太田豊太郎の関係だったりする。
余とエリスとの交際は、この時までは余所目に見るより清白なりき。
……ついつい何かをつっこみたくなってしまうコトバ…。余所目って、たとえば誰の目〜?やっぱりジェットとかグレートとか…(笑)
さらに。
われ等二人の間にはまだ痴○なる歓楽のみ存じたりしを。
「痴○」の○は…ココに表示できなかった漢字。「ガイ」という読みで…Unicodeは9A03。
し…しかしっ!!
伏字にすると、全然違う意味(笑)のコトバに見えてしまう〜♪(うきうき)
「チガイ」(形容動詞)…少なくとも『広辞苑』には載っていない。(うちのは第2版…古い)でも、意味を調べたりしないで、妄想してた方が断然タノシイ。(笑)
ちなみに。とうとうコトに及んだときの描写はこうである。
エリートの地位を追われ、故国に残してきた最愛の母の死の知らせを受け取った傷心のジョーくんもとい豊太郎氏。
嗚呼、委しくここに写さんも要なけれど、
(要あるってば、ジョーくん♪)
余が彼を愛づる心の俄に強くなりて、遂に離れ難き中となりしは此折なりき。我一身の大事は前に横りて、まことに危急存亡のときなるに、この行ありしをあやしみ、また誹る人もあるべけれど、
(そんな、誹るわけないじゃない、ジョーくんったら♪)
余がエリスを愛する情は、始めて相見し時よりあさくはあらぬに、
(わかってるわよ〜♪)
いま我数奇を憐み、又別離を悲みて伏し沈みたる面に、鬢の毛の解けてかかりたる、その美しき、いぢらしき姿は、余が悲痛感慨の刺激によりて常ならずなりたる脳髄を射て、恍惚の間にここに及びしを奈何にせむ。
…言い訳なんかしなくていいのに。>ジョーくん。
で、ポイントは後れ毛、乱れ髪。(笑)彼がお母さん関係のコトで悩み悲しんでいるときがチャンスだっ!フランソワーズ!!!(そうなのか?)
など、考えながら読んでしまったりするのであった。
ところが。
終盤にさしかかると、エリス&豊太郎は、なんだか超銀のタ○ラ&009…っぽい感じに見えなくもない。(ホントか〜?)
エリスの妊娠を知りつつ、仕事でロシアに向かい、成功を収めたジョーくん、もとい豊太郎氏。親友、相沢謙吉に説得され、エリスと別れて日本に帰る決意をしてたりするが。
仕事を終え、エリスが待つベルリンに一旦戻ると、何も知らない彼女は家の階段を一気に駆け下りて出迎え、彼を固く抱きしめる。
我心はこの時までも定まらず、故郷を憶ふ念と栄達を求むる心とは、時として愛情を圧せんとせしが、唯だ此一刹那、低徊踟躊の思は去りて、余は彼を抱き、彼の頭は我肩に倚りて、彼が喜びの涙ははらはらと肩の上に落ちぬ。
こういうシーン、某ファン○リオン星で、たしかに見た覚えがある。あるぞ、ジョーくん〜!(笑)
タマ○…もとい、エリスいわく。
わが心の楽しさを思ひたまへ。産れん子は君に似て黒き瞳子をや持ちたらん。この瞳子。嗚呼、夢にのみ見しは、君が黒き瞳子なり。産れたらん日には、君が正しき心にて、よもあだし名をばなのらせたまはじ。
「私たちの子ども」を夢見るところ、○マラ王女と、なんとなく重なったり…(笑)
キライではない。こういう女性。したたかでよい。
このあと、苦悩して、雪の中をさまよう豊太郎氏がジョーくんに見えると、とってもおいしい♪(馬鹿)のだが…
豊太郎氏は、さまよったあげく、高熱を出し、家に帰り着いて戸口で倒れる…のである。
…甘いっ!!
雪の路上で行き倒れ…してくれなくちゃ、ジョーくんには見えないぞぉっ!!!(?)
最後はエリスの発狂、別れ…と、わやくちゃなので、妄想の入る余地なし(涙)…
と思っていたのだが。妙なことに思い至った。
ジョーくんもとい豊太郎氏に、「君には日本でやらなければならないことがあるっ!!」と説き、優柔不断な悩める彼を、彼の本来あるべき場所…日本へ引きずって行った親友、相沢謙吉。冷酷な人物と思われがちだが、自分の身を省みず、非情であることすら厭わず、親友を信じ奔走する彼が、私は好きだ。とっても。
…これは、00ナンバーでいうと、誰だろう。(考えるな、そんなこと)
アルベルトさまだよな、たぶん…
いや…思い切った行動をするあたり、ジェットに見えなくもないし…
オトナの判断ってことで…意外にグレートとか。
ピュンマさまもいいかな〜?
などなど、考えているうちに
…戦慄。
まさか。
いや、もしかしたら…相沢謙吉って。
コイツが、フランソワーズなのでわっ???
嗚呼、相沢謙吉が如き良友は世にまた得がたかるべし。されど、我脳裡に一点の彼を憎むところ今日までも残れりけり。
…怖くなってきたので、やめる。(涙)
「舞姫」本文は『阿部一族・舞姫』(新潮文庫)
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