第二章 幻想から現実へ
〜009と003〜
第一節
消えた「子孫」
もうひとつ。
ジョーくんにまつわる、これまでの009と019との間の大きい違いについて考えておく。
それは、フランソワーズとの関係…だったりする。
というか。
彼女との未来…というか。
いやもう、端的に言うと、「子孫」のことで。
019では、003&009のエピソードが原作と違う…のが結構目立った。
ホントにそんなに違うのか?と考えると、実はそうでもない部分もあるのだけど…それはちょっとおいておく。
細かく見ておきたい気もするのだけど…雑にまとめてしまうと、019では、009と003は恋人同士であるという「前提」が完全に削られているということかな?
えと。
ただし。
削られているのは「前提」であって。
彼らが恋人同士であるまたはこれからそうなるという可能性が否定されているわけではない。
と思うんだけど…
で。ミュータント篇では、ついに。
二人の子孫がいる…ってことがチャラになった。
原作で、「二人には子孫がいる!」という、あまりにも大きな暴露(笑)をしたエピソードの、キャラクターと設定(の一部)を使い。
それでいて、ストーリーそのものは大幅に改変し…「子孫」にはカケラも触れない。
制作者の意図を考えなくても…
このキャラクターとエピソードでこういうことがおきれば、とりあえず
二人の子孫…って話、019にはないんだ〜!
と受け止めて、それほど無理はないと思う。
この「子孫」は二人の関係の「前提」の柱といってよい要素だった。
子孫のエピソードを削ったことで、019では、009と003とは恋人同士である…という「前提」をとらない、ということが明らかすぎるほど明らかになったと思う。
そして…019はヨミ篇へ。
これは、ジョーくんにとってフランソワーズにとって…
はたまた、3&9愛好家にとって(笑)
喜ぶべきことなのか悲しむべきことなのか????
とにかく、もう少し考えてみることにする。
第二節
原作における009と003
そもそも、今までの009では…009と003って、どういう関係だったの?
これを真顔で問われると…説明するのは難しい。
ヨミ篇までなら簡単だ。
003は009に惚れている。
009は003を……(悩)
えーとえーとえーと…(悩)簡単じゃないじゃないかっ!(汗)
009は003を嫌いではない。それは間違いない。
でも…(悩)
例えば、0010との戦いで、003を庇う。
…当たり前(汗)
寝ている003をじーっと心配そうに見つめる。
…これも当たり前かも(汗)4や7を見てるよりはましだもんな。標準的な心身を持つ少年なら。(しみじみ)
ただ。
0011と戦う決意する直前、焦点のあわない003の瞳をジョーくんが見てるこれが美しいのだあたりに、何かあるといえばあるのか???(悩)
…って程度で。
ミュートス篇で003をアキレスから助ける009の描写や、パンに冷たい(?)009の描写も捨てがたいことは捨てがたいんだけど…
ただ、人質になった003を助けにいくときの009を見てると、どーも気合いが足りないというか…
ベトナム篇で007を助けにいくときの気合いと大差ないような気がするんだよな〜(笑)
ヨミ篇の有名な「踊っているきみのほうがずっとすきなんだ!」ってのさえ…当たり前といえば当たり前なのだ。
恋愛感情がなくてもそう思って不自然じゃないし、第一、戦うのはいやだ、行きたくないと泣いている003を、来なくてもいいんだよ、気にしないで…と宥めようとしてるんだから、これは至極当然かつ常識的な言葉だと思う。
気にしないで…という気持ちが、恋愛感情から出るものなのかどうかは、遺憾ながら(笑)はっきりしない。
だったらむしろ、
でも、僕は戦っているときのきみのほうがすきなんだよっ!
…って言った方が、すっごくヘンだけど(笑)何かを感じるかもな〜(悩)
とはいえ。
そういうと思っていたよ、でも声だけはかけておこうと思ったんだ
ってのが一応あるから…(悩)
いやよ、私は行かないわ!と言われるのはわかってて、それは仕方ないと納得もした上で…
嫌がらせにきた。
はずはないんだから(笑)、やっぱり、009としては003に来てほしかったんだろう。泣かれるとは予想してなかったらしいのは、甘すぎるけどな(笑)
でも。
どうして来てほしかったの?????(真剣)
これがわからないんだよな〜しみじみ
彼が彼女を愛しているから…と考えることもできるけど。
一応全員に声をかける嫌な思いをしても(笑)のはリーダーの責任だから…と考えることもできちゃったり♪おい(汗)
とにかくっ!!!!
最後の最後まで…ジョーくんがフランソワーズをどう思っていたのかは…
どうとでもとれる(涙)
描写に終始しているのだ。
スカールとの戦いで、絶体絶命のジョーくんが
ヘレン→フランソワーズ→お母さん
の順で幻を見ているというのも、いろんな取り方ができるみたいだし…
私自身は、あれは心の浅い所から深い所への移行であって、ジョーくんにとって現世の女性はフランソワーズが一番!故・お母さんにはかなうわけないってことで(笑)という意味だと信じて疑わなかったのだが(笑)
…でもって。
ジョーくん復活のあとも…微妙といえば…微妙。
というか、そんなことやってるどんなことだよ(笑)場合ではない…ってのが実際のところだったかも。
それが。
急変するのが移民篇。
いきなりアレだもんな…
笑ってごらん、アルヌール 笑っちゃうよな(笑)←やめなさい(汗)
でもって、子孫登場。
なんか…力技入ってないか?石森さん〜????(笑)
そして、天使篇。
…時が、止まる。
ところが。
やがて始まった後期のインサイドストーリーには…なんか妙な現象が見え隠れするようになった。
3&9が…どーも他人ではないような気がする
うまく言えないが…
二人は恋人同士だということが…前提として描かれている感じになってるのだ。
いつ、そういうことになった?????
…と叫ぶべきだったのかもしれない(涙)
でも…移民篇で煙に巻かれて、その次が天使篇なんだもの〜(泣)←泣くな
そんなことを叫んでいる場合ではない局面に、009は既に入っていたのかもしれない。
さらに、私にとっては、それはかなり心地よい現象だった(笑)ので…
何も叫ばず、2001年を迎えたのだった(笑)
何かあるのだ。
あの二人には。
その過程は作品に描かれていないけど。
彼らが愛を確かめる描写もないけど。
でも、二人は愛し合っているのだ。
そーゆーことにしておこう。
だって子孫だっているしさっ!!!
…でも。
それで、いいのか???(悩)
恋愛を描いたことになるのか???
…描いていないのだ、もちろん。
石ノ森さんも、009の003への恋については、十分に描いていない、と言及している。
描かれていないけど、前提としてあることになってる。
そんな怪しい関係に、なぜ納得したのかはわからないが…(笑)
でも、それに納得し、むしろそれを享受してきたのが、3&9愛好家だった…のかもしれない。
私はそうだった。
第三節
18歳茶髪日本人とアルヌール先輩
019で、009と003の恋愛模様を描くのは…至難の技だったと思う。
いや…003は簡単。昔から(笑)
003は009に惚れている。
本人にその自覚があるかどうかは別として。
もしかしたら、第1話から(笑)。
で…009は????
これがな〜〜しみじみ
ただ…019ジョーくんは、003をどう思っているのか、全然わからない…ってことではない。
むしろ、わかりやすいかも。
019ジョーくんが、とりあえず003に抱いたキモチは…ひとえに「敬意」だと思う(笑)
すごいお姉さんだな〜
みたいな。それだけかよ(笑)
具体的に言うと
第2話(DVD版)で001にミルクをあげる003を見るジョーくん。
第4話で第一世代の打ち明け話を聞くジョーくん。
第9話の003の戦いっぷりはすごかったし(笑)
でもって、第11話。
戻ってこない003のことを、「まだ遊び足りないというわけでは…」というギルモアに、
003が、連絡もなしになんて。何かあったとしか。
と、真顔で言うジョーくん♪
なんか…野球部の敏腕マネージャーをしみじみてる新入部員とか、敏腕生徒会長をしみじみ見てる生徒会役員なりたての一年生というか…どういう比喩だ、それは(汗)
そう思ってみると…「決戦」で、「戦いたくない!」ってよろめく003を見て、ジョーくんがどう感じたか。
あのアルヌール先輩が あのってなんだよ>ジョーくん(笑)こんなこと言うなんて…やっぱり、こういう戦いはヒドイことなんだっ!!!!
…素直だからな、ジョーくんは(笑)
ぐちゃぐちゃいうな、馬鹿かお前は???
…みたいな、ジェット(笑)とは違うのだ。
たしかに…こんな場面でこういうこと言うのはよくないと思う。
でも、それは、アルヌール先輩がおかしいんじゃなくて、この僕たちをとりまく状況が狂ってるんだ。
アルヌール先輩がおかしいはずないんだから。
だから、この状況をなんとかしなくちゃいけないっ!がんばるぞっ!
アルヌール先輩を心から尊敬しているジョーくんなら、そう思ったのかもしれない。ホントかよ(汗)
いや、だってその前に、いきなり踊っちゃうアルヌール先輩を見たりして(笑)、ジョーくんはジョーくんなりに、事態が逼迫していることを感じていたかもしれないわけだし。
いつもは有能でちょびっとコワい(笑)尊敬する美貌の先輩なんだけど、ときどきちょっと間抜けだったり踊っちゃったり弱気だったりして、ほっとけないような気もしたり……
かわいいじゃないかっ!!!!!!(力一杯)
学年一つ上に、こういう先輩がいたら…
毎日楽しくてしかたないはず。(断言)
少なくとも、18歳茶髪日本人(無職)にとってなら、これはかなりおいしい…っ!!!!
みそぢドイツ人とか、18歳鼻アメリカ人がどうかはわからないけど。
だから、チャイナドレス姿で張々湖大人とどたばたやってるアルヌール先輩を見て、
あ〜あ、先輩怒っちゃったよ〜
なんて思いつつも、無防備に暴れまくる先輩の、あっちこっちが微妙に見え隠れしたりなんかして危ない感じのトコロ♪おい(汗)をしっかり拝んで、思わず気分が高揚し、
やっぱり、ちょっと抜けてるんだよな〜、先輩は〜♪
みたいな感じで、うきうきして、ついゆっちゃうのだ、18歳茶髪日本人は。
でも…僕は嫌いじゃないよ、そのかっこ♪
…と、ジョーくんはとてもまっとうにアルヌール先輩もとい003に親しんでいる。
さらに、すなおなジョーくんは、アルヌール先輩もとい003を尊敬し、信じて疑わないから…
なんとなく彼女への視線はお母さんへのソレに酷似してきたりなんかして(笑)
情けないと言えば情けないけど…
気だてがよくて思慮深い18歳茶髪日本人が、敬愛する女性をいきなり押し倒す気になるかというと(笑)
…それはありえないだろうし(汗)
ミュートス篇での
ぼくみたいなのが…よかった?それとも002?004?
にも、甘さはない。
ジョーくんは、アルヌール先輩の苦悩を正面から受け止め、一緒に考えようとしている。
手加減なしの言葉で、結構キツイんだけど…ジョーくんはアルヌール先輩の強さを全然疑わないから、手加減なんかしないのだ。
それでいて…
マグマ島上陸のとき。
心配そう〜に、アルヌール先輩をじ〜っと見守っているジョーくんの後ろ姿(涙)
ジョーくんは、アルヌール先輩を抱っこして登っちゃおう、なんて考えつかない。
だってジョーくんは信じているのだ。
アルヌール先輩は強い。と。
全然疑わず、でも先輩には、危なっかしいところもあるから…目を離せない。
戦って、庇って…ってしてれば、いくらジョーくんがトロくても、自分のほうがアルヌール先輩より強い…ってことはわかる。
でも…ジョーくんがびびるこら(笑)アルヌール先輩の迫力は、そういうのとはちょっと違っていて…
ジョーくんは、庇ってあげるというよりは、護衛させていただくというキモチなのかも…だんだん怪しくなってきてるな〜(涙)
そして…「未来都市」。
18歳茶髪日本人は、アルヌール先輩が自分の恋人だ…と言われても、ちょっと嬉しいかもしれないけどあまりピンとこなかったかもしれない。
でも…
なんかわからないヤツがアルヌール先輩を誘惑しているのは…相当ムカついたはずで。
しかも、いつもあんなに強いやめれ(汗)アルヌール先輩が無力にされてしまっているのを見た日には…それはもうムカついたはずで。
第一、その前に、
アルヌール先輩が死んじゃった????
…という、とてつもない衝撃をくらってるわけで。
これは…キレるだろう。
いくら18歳茶髪日本人といっても、あんまりだ。
キレるに違いない。
そして、ついにジョーくんは逆上っ!
僕が、003をスフィンクスの誘惑から守りますっ!!!!
と、わけのわからないコトバ(笑)を口走り…こんぴーたーに自分を接続しろ、と暴れる暴れてませんのだった。しみじみ
それにしても…
惚れた男に真剣に信頼され尊敬されてしまうってのは、なかなかツライものもあるかもしれないわけで…
いや、嬉しいし幸せなんだけど、なんかナニかがちょっとズレるっていうか……(悩)
この辺が絶妙♪な3&9だったな〜と思ったりして。
お世辞にも、恋愛中とはいえない二人だった…と思う。
でも、3&9の関係は、思いの外丁寧に描かれている。
手抜きもなく、ごまかしもなく、丁寧に。
この調子でキスまでいくのにまして××♪までいくのにどんくらいかかるのかは、見当もつかないけど…(涙)
そういう感じで見ていくと、019一番の3&9話は、やっぱり第34話「ファラオウィルス」になる。
怒濤の003アクションに思わずびびりながら…よく見ると、ここのジョーくんはほんっとに019ジョーくんらしく003に対している。
いつもは前線に出ない003が「私が行くわ!」っていう場面といえば、やっぱり印象的なのは超銀(笑)
でも、「ファラオウィルス」の003&009は全然違う。
アルヌール先輩は、ジョーくんと一緒に行きたい!なんてカケラも思ってなくて。ってか、もう、ジョーくん眼中になし(笑)
でもって、ジョーくんも、アルヌール先輩がなぜそんなに張り切って(笑)いるのか、たぶんよくわかってない。
でも、ジョーくんは知ってるのだ。
アルヌール先輩が、こういう顔してこう言うときってのは…
なんかスゴイときだってことを。
それは、ジョーくんがとっても尊敬しているアルヌール先輩の姿なわけで。
だから、ジョーくんは素直に先輩を連れて行く。
先輩は、やっぱりちょっと非力で、それはジョーくんもわかってるから、一生懸命フォローして…
でも、先輩のやろうとすることにクレームはつけない。
さんざんどたばたして、何とか無事にテントに着地して、ほっとした二人の視線は…空に向かう。
お互いを見つめ合ったりはしないのだ。そりゃ、微笑み合うぐらいはアリだけど。
よかった…と思うアルヌール先輩に。
よかった…と思うジョーくん。
もしかしたら。
帰り道とかに、アルヌール先輩は、自分を助けてくれたジョーくんのことを思って、ちょっと胸を熱くしたりするかもしれない。
ジョーくんは、アルヌール先輩ってやっぱりなんだかスゴイよな…と、尊敬を新たにしてるのかもしれない。
…なんか違うような気もするけど(>ジョーくん)
でも、素直でのびのびした二人だと思う。
妙といえば妙だな(笑)
第四節
はじめに人ありき
「サイボーグ009」は恋愛マンガではない。
恋愛マンガにしか恋愛は描けないのかというと、それはわからないけど。
でも、恋愛というのは、すさまじい威力をもったモチーフで。
ひとたびそれが発動すると、物語はたちまちそっちに飲まれてしまう。
でも。
人は、毎日ご飯を食べて働いて…恋をする。
仕事に忙しかろうが、理想に燃えてようが、とにかく恋をするのだ。
それがフツウで。
だから…
009たちも恋をする。もちろんするのだ。
ただ、それを物語世界の中でバランスよく展開していくのはとても難しい。
難しいから、フツウ、そういう物語はない。
よくわからないのは…石ノ森さんが、諦めなかった…ってことなのだ。
たとえば、「サイボーグ009」の構想を固めていく中で、009の恋人として、003を設定してみる。
それは珍しいことではない。
でも。
始まってみると、なんだか、003はリアルな女の子になってしまっていて…
そうすると、恋愛が、ヒーロー009に添えられる飾り♪では収らなくなってしまう。
マトモに書けば、それは強烈な磁場を発生させてしまう。
その気配は、原作の放浪篇にも、ベトナム篇にも見える。
「戦うのはいや!」と泣くのが、か弱く優しい、マンガに出てくる女の子…だったら、ヒーロー009が優しく力強く慰めて旧ゼロ映画思い出し状態(笑)おっけーなんだけど。
003はホンモノの女の子で、ホントに苦しんでいるのだから…009にも慰めきれない。
ってか、誰にも慰めきることなんてできないのだ。
この子と009とをマジに恋に落としたら…洒落じゃなくなるんじゃないか???
だって。
たとえば。
超銀や、お蔵入りになった(笑)新ゼロのミュートス篇設定や二次創作では…
003を愛する009は、そもそも彼女をすんなり戦場に連れていけなくなってしまってるのだ。
愛するがゆえに。
のっけからこれなんだから……いちいちめんどくさいことになる(涙)
超銀は、3至上主義にはおいしいんだけど…でも、一方で、相当めんどくさい。
何をするにも、3&9の辻褄を合わせないと、ストーリーが進んでくれないのだ。
こんなめんどくさい…のに、石ノ森さんは、諦めなかったんだ…と思う。
恋愛をストーリーの妨げにはしない。だから、描かない。
でも…009と003は愛し合っている。
そりゃそうだろう、それが自然だ。
フツウ、そうだろう?
サイボーグだから、ヒーローだから恋はしないなんてこと、あるのか?
…そして。
「子孫」が物語の中で厳然たる事実として据えられた。
二人には子孫がいる。
なら…そりゃもう…なんだ?(どきどき)
これを柱に…描かれないけど存在する恋愛関係が、成立した。
でも…やっぱり描かれていないのだ。
一方。
019は、ほんとに丁寧にゼロから語られ始めている。
そして…019は、あくまでサイボーグたちを等身大で、きちんと描こうとしている。
006や007に対しても…「ギャグ担当」というような、雑な役割で切り取ることはしていない。
結果としてギャグ担当になるとしても、019では、まずはじめに人としての006、007を描こうとしているのだ。
それは…003&009にも言えている。
いくら一人の人として006や007を描いたとしても…
この二人がギャグ担当から脱却することは多分ありえない。
019とて、物語なのだから…その物語的制約(?)は必ずあるし、なければ私たちは物語を楽しめない。
だから…
とりあえず、003と009は恋人同士である。
それが覆るのは、不可能だと思う。
でも。
019は急がない。
003には009の恋人としての与えられた役割がある。けど。
その前に、003を人として描くことに、019は力を入れている。
009についても同じで。
だから…019は急がない。
あの009がいて。
この003がいて。
その上で、二人の恋は描かれる。
019のヨミ篇で、ジョーくんは最後にアルヌール先輩の手を握りしめる。
「絶対に信じられる何か」と叫ぶとき、ジョーくんの脳裏にアルヌール先輩がよぎる。
物語が終ってしまう。
ジョーくんはアルヌール先輩に恋していたんだろうか?
二人は恋人同士になってたんだろうか?
実は、わからない…というか、なってなかった、と私は思う。
間に合わなかった(笑)
でも…
間に合わないことを、019は恐れなかった。
二人が恋人でなければならない…という物語的幻想の目標(?)より、009と003を描くことの方が大事だったから。
そうして、019が終わり、完結篇の幕が上がった。
幻想をしかけるなら、ココしかない。
物語の間隙。
石ノ森さんがかつて幻想を忍び込ませたように。
この空白に、二人が恋人同士だということを既成事実としてさりげなく…
…忍び込ませただろうか?
続きを見てみないと何ともいえないのだけど。
今のところ、そのからくりは発動されてない…と思う。
完結篇序章2で、沖縄の浜辺に立つ009と003は…寄り添い合うことなく、正面から向かい合って話していた。
これが、彼らなのだとしたら。
日本とパリで…それぞれ離れて暮す。電話もするけど。
それが、彼らなのだとしたら。
ちょっと不安だけど…楽しみだったりもする。
どんどん強くなるジョーくんは、フランソワーズを愛するようにもなってくるはずで。
そして、その愛は、アルヌール先輩に抱いた敬意から出発している。
それって…どういう愛なんだろう〜?うきうき♪…ってか、頼むぞジョーくん〜(笑)
とはいえ。
完結篇がどれだけ長い話なのかはわからないけど…
なんか…また間に合わないんじゃないか(笑)って気はしてるのだ(汗)
でも、ここまできたんだから、この際焦らず進んでほしい。
いや、もちろんイキナリ例の例の?××シーンに突入したって、大歓迎♪なんだけど(笑)
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