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009的国文

走れメロス(太宰治) 上
藤裏さま方「FUJIURA-HUT」に、「サイボーグルパン化計画」という、物凄いコーナーがある。
とにかく物凄い。
 
で。
フランソワーズ至上主義者の私には、こういう視点は皆無だったのだが…感動した。
たしかに、かっこいい3人組(兄ちゃん)ってのも…「009」の魅力だよな〜!(しみじみ)
何を今更(汗)って感じなのだが。
 
考えてみる。
日本文学史におけるかっこいい3人組(兄ちゃん)…って。
…うん、いるいるいる♪
 
というわけで、かっこいいかどうか…について、若干問題があるような気がするものの、「走れメロス」である。
 
「走れメロス」に出てくる3人といえば。
 
メロス・セリヌンティウス・ディオニス。
 
このうち、主人公メロスは、問題なくジェットである。
何の問題もない。
何から何までぴったり♪
 
問題は。あとの二人。
 
一応…
人を信じることができない暴君ディオニスをアルベルトさまということにしておく。
ってことは、メロスの親友、セリヌンティウスがジョーくんである。
 
逆でもチョット面白いんだけど…
 
さてさて。
妹の結婚式の買い物のため、村を出て、2年ぶりにシラクスの街にやってきたジェットもといメロス…はのんきな羊飼いである。(笑)
買い物をのんびりすませ、夜になって、親友セリヌンティウスを訪問するつもりでいたりする。
が。
 
その途中、彼は妙に暗い街の雰囲気を疑問に思う。
 
人を呼び止めて何かあったのかときいてみても、マトモな返事は戻ってこない。
だが。
 
それであきらめるジェットではない。(笑)
 
しばらく歩いて老爺に逢い、こんどはもっと語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。メロスは両手で老爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。「荒っぽいヤツだなあ、きみは」 byジョーくん
 
ってわけで、ジェットもといメロスはコトの次第を聞く。暴君ディオニスが人を信じられないといって、サクサク家来やら民やらを殺しているのだという。
 
メロスは激怒する。
買い物を担いだまま、その足で王宮にまっすぐ入り、あっという間に警備の役人に捕まってしまう。
しかも懐からナイフを押収される。
 
さすが、うっかりジェットくん。(涙)
 
ディオニスの前に引き出されたメロスは、彼と論争する。
 
「市を暴君の手から救うのだ」とメロスは悪びれずに答えた。
「お前がか?」王は憫笑した。「仕方のないやつじゃ。おまえなどには、わしの孤独の心がわからぬ」
 
憫笑…(うっとり)
やっぱりディオニスはアルベルトさまかな…
ジョーくんに「憫笑」は無理だろう。全然無理。(断言)←?
 
「疑うのが、正当な心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。人の心はあてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ」暴君は落着いて呟き、ほっと溜息をついた。「わしだって、平和を望んでいるのだが」
 
アルベルトさま…(涙)
何が…いったい何がっ???
どんなお辛いことが、おありになったのですかぁっ???
 
…なんてドキドキ♪してしまう場面に見えなくもないが。
うっかりジェットくんに、そんなデリカシーはない。(笑)
 
「なんの為の平和だ。自分の地位を守る為か」こんどはメロスが嘲笑した。「罪のない人を殺して、何が平和だ」
「だまれ、下賤の者」王は、さっと顔を挙げて報いた。
 
あああああああああああああっ!!!!
アルベルトさまに…アルベルトさまに、
 
「下賤の者」
 
って叱られてみたいいいいいいいいいいっ!!!!!←大馬鹿(笑)
 
えっと。(汗)
エラそうなことを言ってるお前だって、どうせ磔になってから泣いて詫びるだろう…とか言うディオニスに、メロスは反論する。自分は、死ぬ覚悟ができている。命乞いなどしない。
 
…が。
死ぬ前に、たったひとりの妹の結婚式を挙げてやりたい。3日の猶予をくれないか。
それがすんだら戻ってきて死刑になってやる…と、メロスは頼む。
もちろん、ディオニスは信じない。
すると。
メロスは、親友セリヌンティウスを人質においていく…と言い出す。
 
メロスは帰ってこないにきまってる、そしたら人質のジョーくんもといセリヌンティウスを殺してやろう…とほくそ笑み、悪いヒトぶってるアルベルトさまもといディオニス。
 
結構いいヒトである。
 
メロスは王を暗殺しようとした犯人なのに。
逃がしてやってどーするんだ。>ディオニス
代わりに善良なおとなしい市民のジョーくんを殺したって…そりゃ楽しいかもしれないが。(おい)
 
暗殺者逃がしたら、何にもならないだろう(涙)
 
もちろん…ディオニスはヒトを信じたいのである。
でなきゃ、ここで速攻メロスを殺して終わりだろう。
大人になってから読むと、メロスよりディオニスに魅力を感じてしまったりする。
 
そして…いよいよジョーくんが登場する。
 
竹馬の友、セリヌンティウスは、深夜、王城に召された。暴君ディオニスの面前で、佳き友と佳き友は二年ぶりで相逢うた。メロスは友に一切の事情を語った。セリヌンティウスは無言で首肯き、メロスをひしと抱きしめた。友と友の間は、それでよかった。
 
…それで…いいのか?>ジョーくん(涙)
 
「いいよ?(きょとん?)」
とか言われるような気がする.(涙)
 
ええいっ、こいつらではラチがあかないっ!!!
 
…ので。
 
無理矢理フランソワーズに登場してもらうことにする。
物語には登場しないが…というか、そもそも存在しない可能性が大だが。
セリヌンティウスの妻として、語ってくれ、フランソワーズ。
 
 
一日の仕事を終え、眠っていた二人。もちろん一緒のお布団で♪
 
そこに、突然荒々しくドアをたたく音。
ほどなく、ドアは蹴破られ、押し入ってきた王の兵士たちに、夫はあっというまに引き立てられてしまった。
 
どうして…?いったい、何が…?
 
今日も、無実の罪で、6人の市民が王に殺された。
 
夫はごく善良な、優しいヒトだ。
周囲の人々を愛し、慎ましい幸福に満足している。
大それた考えなど、かけらも持っていない。
それは私が一番よく知っている。
でも…
 
あの王に捕らえられて、帰ってきた者はいない。
 
フランソワーズは必死で兵士たちに追いすがり、手荒く振り払われる。
そんな妻に、ジョーくんは優しく言う。
 
心配しないで。何かの間違いだよ…すぐ帰ってくるから、待っていて。
 
 
や〜ん…(涙)
そう言って出ていくヒトって…
フツウ、帰ってこないよな(涙)
 
で。
そのフランソワーズが、もし…もし、この城にいて、この二人のやりとりを見聞きしていたら。
 
激怒するだろう。(涙)
 
2年も音沙汰なしだった友人が。
通りすがりに思いつくまま、何の計画もなしに王暗殺なんかしようとして。
しかもあっさり捕まって。
 
 
夜中たたき起こされて、死ぬほど心配して…それが、コレ…ってわけ???
 
3日間…人質になれ?
必ず帰ってくる?
 
その間、こっちの仕事はどうするの???
明日だって、急ぎの注文が入ってるのよっ!!!
 
第一、妹さんの結婚式なんて、大事なコトを忘れてそんな…っ!
どーしても王を暗殺したくて、どーしても妹さんの結婚式もしたかったのなら。
 
まず、結婚式をすませてから、もう一度街に来て、王を暗殺すればいいでしょうっ!!
 
この…この、うっかりものおおおおおっ!!!!!(怒)
 
怒りにウチ震えるフランソワーズをジョーくんは宥める。
 
困ったときはお互いさまだよ、フランソワーズ…
僕だって、これから、いつジェットに世話をかけるか、わからないんだから。
 
 
…ジョーくん。
 
約束守れば、ジェットは3日後に死ぬはずです。(涙)
 
 
とにかく…心配しないで。
ジェットは嘘なんて絶対つかない。
僕たちを裏切ったりしない。必ず帰ってくる。
それは、キミだってわかってるはずだよ。
 
ええ、わかってるわ、ジョー。
…でも。
 
 
その先は…言えない。
フランソワーズは涙をこらえ、うつむき…心で叫ぶ。
 
 
でも、ジョー…
彼は…うっかりジェットくんなのよ〜っ!!!
 
 
しくしくしくしくしくしくしく。
 
ともかくも…ジェットもといメロスは、シラクスを出発した。
とてつもなく不安であるが。(涙)
 
メロスは心優しく、強い兄ちゃんである。
死ぬのは…やっぱりつらい。
でも、最愛の妹を悲しませないように。
自分の運命を悟られないように…村に着いた彼は、がんばる。
 
理由を誰にも言わず、ただ強引に結婚式を明日挙げる、と言い張り、ついにそれを押し通す。
 
結婚式の宴。
彼の運命を知らないヒトたちは、陽気に盛り上がる。
 
メロスは。
このまま、ここにいたい…とフト思う。
この佳い人たちと、生涯暮らしていきたい…と。
 
でも。
この身はもはや自分のものではない。
セリヌンティウスのものである。
 
フランソワーズが聞いたら、
「当たり前でしょっ!(怒)」と言うような気もするが。(笑)
 
メロスは、出発を決意する。
 
お調子者で、正義漢で、楽天家で、かなりうっかり者。
押しが強く、はっきりいって図々しい…というか、エゴイストっぽくもあるが、純粋な青年。
その友情は、どこかズレてるようにも見えるが、たしかに強く、揺るぎない。
 
…さらに。
彼は弱さを兼ね持つ、フツウの人間…でもある。
 
弱いからこそ、強い。
でも…弱いことは間違いなく弱い。
 
夜明け前、ジェットもといメロスは未練を断ち切り、一人出発する。
シラクスへ。殺されるために。
自分の迷いと戦い、走り始める。
 
そして。
彼の前に、過酷な試練が…っ!!!
 
ってことで…つづきます。 いい加減にしろ〜!>自分 
 
 
本文は『走れメロス』(新潮文庫)より。
 
更新日時:
2002.02.07 Thu.
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Last updated: 2013/6/10