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009的国文

南総里見八犬伝
 
えーと(汗)
 
実を言うと、「南総里見八犬伝」をちゃんと読んだのはもうずいぶん昔のことなのだった。
で、ウチには岩波文庫の「南総里見八犬伝」があるのだけど、たぶん引用はしません(遠い目)漢字の変換を想像しただけでなんだか気力が(涙)
 
そんなわけで、かなりいいかげんなのだった(しみじみ)
 
 
なぜ南総里見八犬伝なのか、というと、しまむら映画やら完結篇やらをぼーっと見ているうちに、なんか、009と八犬伝って似てるとか考えたことがあるなーと、ふと思い出したからで。
 
一生懸命探してみたら、2003年10月23日の日記にその跡が残っていた。(しみじみ)
八犬伝の登場人物と、しまむらたちって被る、という話をしていたのだった。
こんな感じだ。
 
仁:犬江親兵衞…001 問答無用・最強無敵の神童。
義:犬川荘介…008 いろいろ苛められる受難の人。
礼:犬村大角…006 苦労人で元妻帯者。(奥さんは亡くなられました)
智:犬坂毛野…007 変装(女装)の名人で諜報担当。
忠:犬山道節…004 敵討ちに生きる人(えーと)
信:犬飼現八…002 信乃と芳流閣で空中戦の果てにどこ落ち(え)
孝:犬塚信乃…009 美少年…ってか、わけあって女装で育ち女性名。愛犬の命を自らの手で絶つ(倒)
悌:犬田小文吾…005 怪力無双の大男。親兵衛の叔父さん(悩)
 
私にとっての最大の問題(?)は003がいないということ。
8人だから当たり前なのだけど(涙)
2003年のときは、信乃の恋人浜路でいいだろうと思っていた。でも、本音を言うと(?)やっぱり伏姫だよなー(汗)と思っているのだった。
その辺の話が今回の本題になるような気がする(しみじみ)えーと(汗)
 
 
サイボーグ009について、時たま指摘されるのは、人数がちょっと多い(倒)ということだ。
なぜ九人なのかというと、石森さん自身が、元々野球チームがヒントだった、と説明されている。
 
野球というのは、分業化によって高度にシステム化された競技で、なんというか、いかにもアメリカ文明、という感じがある。だからなのかどうかはわからないが、ヨーロッパではあまりおもしろがられていないらしい。
 
そう考えると、日本にだって馴染みそうにもないのだけれど、それはそうでもないようなのだった。韓国でも盛んらしい、ということから鑑みると、アジアにも馴染むということなのかなー。
 
当然(というかなんというか)アメリカのベースボールと、日本の野球は別物だぞ、という議論は以前からある。私もそうなんだろうな、と思ってはいる。
そして、おそらく、本家のベースボールの方が野球より「強い」。
にもかかわらず、WBCでは、いろいろ事情はあったものの、日本は二度の優勝を果たした。
 
話がドコにいってるんだという気が我ながらしてきたので、がんばってサイボーグ009に戻ってみると。
要するに、サイボーグ009というのは、野球チームのつもりで始めたのに、気づいたら八犬伝になっていた……ってことなんじゃないか、ということなのだった。
 
 
チームワーク、というのもサイボーグ009を語るときによく用いられる言葉だ。
でも、おそらくそれは彼らの場合、ちょっと特殊なものだと思う。
 
平ゼロから10年以上たって今でも不思議だなーと思うのは、当時、古いファンの多くが、作品から彼らのチームワークみたいなものが感じられないという感想を漏らしていたことだ。
 
私自身はどうなのかというと、そういえばそうかも、というような感じだった。
ただ、もともと、それまでの原作を含むどの作品からも「チームワーク」を強く感じたこと自体がなかったので、そういう意味で特に平ゼロだけが違う、という違和感はなかった。
 
この辺りについては、平ゼロが終わってすぐの頃に、考えて書いたことがある。
他の作品と平ゼロだけが違う一番大きなポイントは、作中において彼らが共有したことになっている時間の長さと、更に言うと、読者(視聴者)である私たちが彼らと共有した時間の長さであり、おそらくそれが問題なのだろう、と結論したと思う。
 
が、もちろんそれだけ、というのはつまり、彼らの「絆」の根拠が「時間」だけ……ということはないはずだ、とも思う。
 
八犬士は伏姫から生まれた兄弟だ。
彼らにはそれぞれ生物学的な(?)両親がいる。だから、兄弟、というのは信仰を基盤においた、人が作り上げた幻想としての関係で、それが八つの玉・同じ痣、という形で具現化しているのだった。
言うまでもないが、それ自体が超常現象であり、奇跡であり、瑞兆でもあり……それゆえに、彼らの超人的な力を保証する。
 
で。
009たちの「絆」も、要するにコレなのではないかと思うのだった。
ただ、因果が逆になっているというか、ちょっと形は違っている。
 
彼らの場合、超人的な力がまずそこにある。
それは、一応自然科学に裏付けられていて、そういう意味では本当の超人的力ではないのだが、そうはいっても具体的な現実として現れるその能力は、圧倒的に超現実的であるのだった。
 
一方、彼らはたしかに「00ナンバーサイボーグ」というチームなのだけど、何かを目的として編制された人為的な組織ではない。
そんなはずはない……ような気もするが、よく考えてみれば、00ナンバーが集められた目的が何かあるとするなら「試作・テスト」なのだった。
そのはるか先に未来の戦争があり、そこに向かうのが彼らの使命なのだとしても、少なくとも、彼らが組織から脱走した時点ではそういう明確な目的はなかったし、組織を脱走してからはなおさら、彼らに組織としての目的などない。
彼らは、こういっては語弊があるが、「なんとなく」チームとなっているのだった。
 
さらに、彼らが「選ばれた」理由を考えてみると、一応それなりにあるのだけど、でも、彼らの主観に立ってみれば、なぜ自分が選ばれなければならなかったのか理解できるはずもない。それはまさに不条理としかいいようがないことなのだった。
 
にも関わらず、彼らは選ばれた。選ばれたのに、人為的な組織としての目的は与えられていなかったのだ。正確に言えば、与えられる前に逃げた、ということなのかもしれない。
 
八犬士の場合、まず、人為を超えた神の意志があった。
神の意志が八人の若者を神に属するモノとして集め、それゆえ彼らは常に正義の側に立つことになるし、超人的な力を与えられることにもなる。
そして彼らは人為的な組織ではなく、それゆえ、私たちの日常にある、神による共同体に一番近い「家族」「兄弟」に擬される。
 
サイボーグ戦士たちを集め、彼らに力を与えたのは言うまでもなく神ではない。が、彼らの力があまりに超人的なので、神の仕業だ、と勘違いしても、それほど違和感はない。なにより、選ばれ方の不条理性がまさに神の仕業といえるわけで。
 
もうひとつダメ押し(え)すると、サイボーグたちがそうであるように、八犬士の誕生の根本には罪と悪の歴史がある。
そもそもの始まりは、妖女玉梓のすさまじい怨恨と呪いであって、それをどうにか浄化する……という過程で、伏姫と八房の「結婚」が描かれるのだった。
 
玉梓は、絶対的な悪だ。
完結篇風に言えば「闇の子」だし、しまむら映画風に言えば「神の声」になるのかもしれない。
それにあらがい、仏教による浄化を目指すのが伏姫なのだった。
彼女はもちろん「光の子」であり、「天使」だといってよい。
 
彼女の信仰によって、妖犬八房は浄化され、伏姫の守護者となる。
その結果として、夫婦になったふたり(というかなんというか)から生まれたのが八犬士なのだった。
 
伏姫が八房の子を産んだという事実についてのみ言えば、玉梓の呪いは現実となった、ということであり、八犬士はいわば悪の結実ともいえる。
が、あくまで悪に染まらなかった伏姫の力によって、彼らは正義の超人として集うのだった。
 
そんなわけで、八犬士の宿命は、悪と戦うこと・悪の浄化……なのだった。
漠然としているけれど、完結篇や映画しまむらも含めて、「009」と被るなあ……と思うのだった。
 
その誕生の根源に悪を持ち、それゆえに、悪との戦いを宿命とする絶対的な正義の人たち。
しまむらたちもそういう人たちだといってよい。
彼らはその選ばれ方の不条理性によって、運命の定めた義兄弟となる。
というか、そうとでも考えなければ、どーにもならないほど不条理なのだから仕方がない。
 
残念ながら、南総里見八犬伝には女性武士の発想がないため(あたりまえだ!)八犬士の中にお嬢さんの席はない。
そんなわけで、お嬢さんはどうなるか……というとやはり見過ごせないのが伏姫なのだった。
 
要するに八犬士たち全員に深く関わる運命的な女性というのが、伏姫しかいない、というのが、お嬢さんを伏姫の位置においてみる根拠なのだが、なんだか心細い根拠だったりして。
だから、さすがにしまむらたちの母親がお嬢さん……という位置づけをするには無理がある。
もっとも、犬江親兵衞に対してはかなり実質的なお母さんをやっている(笑)あたり、なんというかさすが(しみじみ)<なにが(汗)
 
お嬢さん=伏姫、と考えるなら、八犬士の母、という視点よりも、八房と金碗大輔の妻という視点で考えた方がわかりやすく、もちろんその場合八房と金碗大輔にあたるのがしまむらなのだった。
 
やっぱりか−。(しみじみ)>しまむらやめれ(汗)
 
犬、八房としての……つまり「人間」ではなく、悪の意志が定めた「夫」であるしまむらは、ほどなくお嬢さんに浄化される。
 
が、それゆえに、自分が彼女と結ばれてはならないということをしまむらは知りぬいていて、ひたすらお嬢さんを守護しつつもお嬢さんに触れようとはしない。
にも関わらず、お嬢さんの胎内に「種」を残してしまうのだった!(踏み)
 
一方で、金碗大輔としてのしまむらは、お嬢さんと人間として結ばれることを目指し、お嬢さんの「救出」のために戦おうとする……が、それは果たされない。
伏姫の死後、彼は「ゝ大法師」として「子どもたち」を探す旅に出、八犬士を導く存在ともなる。
このゝ大法師の姿が、実質的にはサイボーグ戦士のリーダーとしての009と重なる……ように思う。
ということは、それと対である003は、霊的な存在としての伏姫(死後)ってことになるのだろう。
 
八房を殺したのは金碗大輔の銃弾だった。
しまむらは、たとえ浄化されていようと、所詮は獣であり人間ではない「009」がお嬢さんを得ることを拒絶する。
ちなみに、お嬢さんもそれは拒絶する(踊)
しかし、そうでありながら、二人は運命の恋人……というか、夫婦なのだった。
どーすればいいんだよコレ……(汗)の答として、「八犬伝」における八犬士(とゝ大法師)はひたすら戦うのだ。
 
で、伏姫とゝ大法師はそれでいいとして(いいのか?)
「八犬伝」という物語の主人公&ヒロインとしてそれではあまりにも観念的すぎるというか、華がない感じがする。
そこで、実際に八犬伝で動いていく恋の物語は犬士たちのソレであり、その主流となるのがやはり信乃と浜路の物語となる。
 
「009」でも、さすがにお嬢さんが霊だとどーしよーもない(あたりまえだ!)ので、お嬢さんは生きたフツーの人としてしまむらと関わっていく。
だから、見かけ上はやはり信乃と浜路なのだった。
 
ちょっと面白いのは、浜路が二人いる、ということだ。
一人目(?)は、信乃の許嫁、浜路。
彼女は結構複雑な人なのだが(遠い目)前半で信乃を陥れる敵夫婦の養女なのだった。
もっとも、実の娘ではないぞ、という設定はある。
 
信乃は父から預かった名刀を本来の持ち主である殿さまに返そうとするのだが、夫婦はそれを偽物とすり替えるのだった。
それによって名刀をだまし取り、信乃を罪人として抹殺しようという、周到なんだか雑なんだかよくわからない陰謀なのだが、信乃はなんといってもしまむらなので、人を疑うコトを知らない(倒)
 
で、浜路は両親のたくらみなど知らないのだけど、要するに信乃が旅立ってしまうのが悲しいので(遠い目)行かないでくれとかきくどいたりする……が、信乃はそれを聞き入れない。この辺は某F星を彷彿とさせますが<こら(汗)
 
信乃が旅立った後、浜路は両親の陰謀を知り、信乃を助けるために彼らを裏切ってホンモノの名刀を届けるため信乃のもとに走る……が、その中途で命を落としてしまう。
名刀はその後いろいろあって(倒)結局信乃のもとに戻る……のだった。
 
もし、しまむらが信乃ならば、浜路は残念ながら(?)お嬢さんではない(しみじみ)
ヘレンさんとかヘレナさんとか……一番近いのはたぶん田代ミー(倒)<おい(汗)
 
彼女は、「敵」の側にいるにも関わらず「善」の心を持つ清純な娘で、しまむらに恋をして彼を助けるために裏切り者となり、命を落としてしまう。
で、実はしまむらに愛されることもない(しみじみ)
 
もう一人の浜路は亡くなった浜路とうり二つの少女なのだが、実は里見家のお姫さまなのだった。
ただし、鷲に攫われて(倒)甲斐で育てられていた、といういわくつき(しみじみ)
やがて彼女は信乃と巡り会い、まずは亡くなった浜路の霊が乗り移る、ということをきっかけに、ゝ大法師によって里見家のお姫さまであることを見いだされ、とりあえずお城に戻る。
その後、ちょっと危ない目にあったりするんだけど、伏姫の霊(というかなんというか)に守られて、なんとかソコを乗り越え、最後は信乃の妻となるのだった。
 
亡くなった浜路と比べると、設定がてんこもり、というか、何もかもが詰め込まれた人物(倒)であることが特徴なのだった。
特に、ゝ大法師と伏姫(死後)がその守護に関わる、というのが大事なのかも。
 
要するに、ヘレンさんがお嬢さんと手を結び(倒)最強の妻をしまむらに用意した、みたいな感じなのだった(遠い目)
更に見た目はヘレンさん……なんだけど、立ち位置やしまむらとの関わり方はお嬢さん。怖いよう(涙)<?
 
正直、信乃との恋物語として見ると、亡くなった浜路の物語の方が圧倒的に感動的で印象に残る。
浜路姫の方は、そりゃこれだけてんこ盛りに手厚く設定すれば、理想の最強妻になるだろうけど、それのどこが面白いのか(遠い目)という感じ(しみじみ)
 
……ってことで、もちろん、お嬢さんは浜路姫と強烈にかぶるのだった。でも顔はヘレン<やめれ(涙)
 
浜路姫は、当然だけど伏姫の姪でもある。信乃から見ると、もー完全に味方というか同じ世界にいる女性だ。
彼女と結ばれるのだから、とーぜん、信乃の結婚生活は理想的に幸せに違いないのだが、それゆえ、たぶん物語としてはちっとも面白くない(しみじみじみ)
 
 
うーみゅ(汗)なんだかだんだんコワくなってきました(涙)
 
 
で、結局、歴史の上では里見家ってつぶれるんだよなー。とか(遠い目)
 
でもまあ、非常に個人的な話だけど、千葉県民でよかった……のかも。
なんというか……運命<?
 
 
そんなわけで。
 
 
今度、ギルモア研究所を作るときは、どーせなら房総半島にお願いします!(結論!)結論なの???(汗)
 
 
もちろん、無理は承知です(しみじみ)
館山を大河ドラマの舞台に!ってのと同じくらい無理(しみじみじみ)<わけわからないから(涙)
 
 
 
更新日時:
2013.03.28 Thu.
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Last updated: 2013/6/10