仕事がたらたらしているので、昼下がりにスーパーにいたりするのだった。
でもって、昼下がりのスーパーで。
いきなり、左下後方から声をかけられた。ちびなので、こーゆーことはタイヘンめずらしい(しみじみ)
ちっこいばーちゃんだった。
聞きたいことがあるから教えてくれ
はい、何でしょう
みたいな会話を5、6回繰り返してから、ばーちゃんは、手にとった漬け物の値段を私に尋ねた。
この120円の漬け物、1割引のシールが貼ってあるけど、結局いくらなんだろうね?
算数の問題だと思った私は、気楽に計算した結果を答えた…が。
ばーちゃんの気持ちでは、算数というよりは社会科の問題だったのかもしれなかったのだった(悩)
ふんふんとうなずいたばーちゃんは、フト私のカゴを覗き、そこに入っているパンを指さした。
それにも1割引シールが貼ってあった。
これ、元はいくらかね?
えーとえーとえーと(汗)覚えてない(涙)
仕方なく、
いくらだったか覚えていません。
というと、ばーちゃんは眉を顰めた。
…じゃ、これは? いんげん
…これは? きゅうり
…これは? 砂糖
…これは? とうふ
しかし、私はどれも答えられなかったのだった。数字に弱いし(しみじみ)
覚えていません、と繰り返すたび、なんとなくしまむーのような気分になっていく(悩)←?
最後にばーちゃんは、またパンに戻った。
私のカゴからパンを掴みだし、ひっくり返して、
いくらだろうねえ…
…と考えている。
パン売り場に戻って確かめてこなければならないかもしれない(汗)
と思いかけたとき。
私は、パンに「定価」がついているのを発見した。
あ!180円です…ほら!
しかし。
ばーちゃんはキッと私を見上げ、厳しく首を振った。
何言ってるんだい!このネダンのままのはずないんだ、こういう店ではもっと安い値段がついてるはずだよ!
…そ、そうかも。たぶん(汗)
完全にしまむーの気持ちになった私(涙)に、ばーちゃんは声を和らげ、優しく続けた。
おねえさん、ダマされちゃいけないんだ…ソレが狙いなんだからね。レジ打たれたらオシマイなんだから、しっかり見ておかなくちゃ。
は、はい。
ばーちゃんはうんうんとうなずき、パンを私のカゴにもどした。
次に、ばーちゃんは自分のカゴの中のものを指さし、そのネダンと使い道を説明し始めた。
もちろん。
さすがにそのころになってくると、
なんかマズイかも…(汗)
という気になっていたのだけど。
でも…別に私がキケンにさらされてるというわけでもなく。
腕力脚力その他、どっちかというと、私の方が勝ってるわけだし。たぶん
キケンにさらされている…とかいうなら、むしろ、ちびとはいえ正体もわからないおばちゃん(私)おねえさんって言ってもらえたけど♪に声をかけ、話し込んでいるばーちゃんの方なのであって。
…やがて。
ばーちゃんは、
私、向こうで買わなくちゃいけないものがあるから…悪いね。
と、去っていった。
よかった。(涙)
私はいそいそとレジへ向かった。
もたもたしていて、またレジで鉢合わせしたりしたら、なんかマズイような気がするのだった。
…が。
もし、しまむーだったら。
なんとなく、ばーちゃんのことが気になって、後ろを振り返ったりしているうちに、きっちりレジで再会してしまうような気がするのだった。
でもって、仲良くばーちゃんと並んで品物を袋詰めしながら、その入れ方だの、食品の保存法だのを説明されて…
でもって、ばーちゃんちの献立とか聞かされて…
しまむーのことだから、つい
いいなあ…おいしそうですね。
とかいらんこと言っちゃって、
たくさん作るから食べていきなさい。
とか言われちゃうのだ。
え…で、でも。
お昼、まだなんだろ?
はい…でも、これからウチで…
食べ盛りだろう、すぐできるから。帰ってから、アンタんちのお昼を食べればいい。
…ってことで、しまむーはばーちゃんの家へ。拉致。(しみじみ)
なんかてんぷらとか作ってもらって、食べさせてもらって、
おかあさんに持っておゆき。
とか、新聞紙に残り物を包んでもらってしまったりするのだった。
たぶんしまむーはコドモだと思われている。
昼ごはんに足りないものを買ってきてくれるはずだったしまむーが、家を出て2時間後に帰ってきたとき。
さすがにお嬢さんは
どうしたの…何があったの、ジョー?!
…と聞くのだった。お嬢さんはご飯を待ってたりして(涙)
しまむーははじめから丁寧に説明した。
説明は延々と続く。
…それで…おばあちゃんの家に行って…てんぷらを作るっていうんだけど、鍋が見つからなくて、一緒にさがして…見つかったんだけど、ちょっと錆びがあったから、それを磨いて…大根おろしのおろし金もなくて、それで…(以下略)
長い長い話が終わり、しまむーは油の滲んだ新聞包みを差し出す。
…これ。持っていけって、言われて。
さすがに「おかあさんに」とは言えないしまむー。
衣ぽてぽて、インクの匂いが漂うてんぷらを、お嬢さんは受け取り、
じゃ、あっためるわ…この間、張々湖大人にね、上手なあたため方、教わったばかりなの。
う、うん…ありがとう。
それじゃ…ジョーはもうお昼、いらないのね?
あ。きみが食べるなら…僕も。
そう…大丈夫?
うん…ごめん。
うつむくしまむーに、お嬢さんは優しく言うのだった。
コドモの頃…ね。おばあちゃんが、よく私たちにって、おやつを作ってくれたわ。こーんなにたくさん!兄さんと二人で一生懸命食べても食べてもなくならないの……
ふと顔を上げたしまむーにお嬢さんは微笑み、
大好きなおばあちゃんだった。
…ウン。
そのおばあちゃんも、優しい人…なのね。
…ウン。
…しみじみ。ってヒマなのかオマエ?>自分←えっと(汗)←そうかも(大汗)
とにかく。
やっぱりこれっくらいでないと、しまむーの嫁はつとまらないんだろうな〜としみじみ思う昼下がりなのだった。嫁???
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